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執筆者の写真Toshihiro Doi

運動会とPBL

先週は中学校体育大会、今週は小学校の運動会と続けて我が子の活躍を見ることができた。 まずタイトルにつけた「PBL」だが、ざっくりと以下のことを指す


:問題解決型学習(Project Based Learning)の略で、「課題解決型学習」とも呼ばれ、知識の暗記などのような生徒が受動的な学習ではなく、自ら問題を発見し解決する能力を養うことを目的とした教育法のことを指す。


これと運動会?と思った方も多いかもしれない。私は教員の時代から、運動会がとっても好きだ。見ることも、参加することも、実施することも大好きだ。近年、組体操での事故の問題や、働き方改革からの過度な練習時間のこと、保護者負担の軽減などが話題になり、少しさみしい気持ちにもなっていた。


運動会は、学校行事の中で全員がもれなく参加する一番大きな行事だ。実施までの数週間、学校は運動会モードに突入する。

運動会の中では、それぞれの子どもたちが自分の係の仕事や出場する競技、演目の練習を一生懸命行う。応援の子は全校を盛り上げ、低学年のヒーローとなり大会に華を添える。審判の子は厳正な審判を下し、公平に公正に進めていく、準備の子は黒子のようにスムーズな進行のために全力を出す、放送は分かりやすく、聴きやすく、ムードにあった音楽で全体を盛り上げる、先生たちは、それぞれの子どもたちが活躍できるように、知恵を絞り、細やかな気配りをしながら成長を促していく。雨が降っても、30度を越す猛暑の中でも、力一杯の子どもたちの姿は、地域や保護者の感動を生み、心を動かす。

当日までも、様々なところで地味な活動を積み重ね、そのプロセスでもたくさんの成長の場面が見られる。子どもたちは、自ら問題を発見し解決する能力を養いながら成長していく。いい運動会を作り上げるために。


PBLを実施していく場は、教科の学習や総合的な学習の時間でもいいが、学校の行事の中で「課題解決型学習」を実践していく、という考え方でもいいのかもしれない。「例年通り」という方法をとることもできる、だが、指導にあたる教員が、思考停止にならずに、学校行事を「PBLの実践の場」と捉え、子どもたちや教員のCreativityを発揮できたら、その成長の幅はもっと大きなものとなるだろう。さらに教科の学びを絡め、総合の取り組みにも生かすことができたら、教科の壁なんてあっという間になくなってしまうのではないか?より良いものを求め、最適解を探る過程を学校行事の中にも入れていく、そもそもの学校行事の意義や、何がしたいのかを、子どもたちと再考していく過程が大切なのではないか?

学校行事の精選という名の下に、無くしたり、短縮してしまうことは簡単だが、その視点をもう一度見直してはどうだろうか。単に一つの行事かもしれないが、教員のスタンスや考え方、捉え方でそれは大きな学び、成長につながる。

これからを生きる子どもたちに、どんな力をどの場面でつけていくのか?カリキュラムマネジメントや働き方改革は、教育の場である以上子どもたち目線で議論していくべきである。皆さんはどう考えますか?

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