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執筆者の写真Toshihiro Doi

まだ変われる

今週も寒かったが、先日の大雪のようなことはなく、この時期らしい寒さが続いた。庭の木の先端を見ると、ぷっくり膨れて蕾が出てきている。少しずつ春に向けて季節が動き出している気がする。


あっという間の2月、学校でも3学期はとても短く感じる。行事も勉強も少しずつ終わりが見えてきて、入試や卒業シーズンに入れば一気に今年度も終わりだ。そしてまた新しい1年が始まるのだ。今週は東京出張だった。研修のまとめや動画の収録、こちらも粛々と仕事は続いていく。2月に入りDoitも5年目を迎えた。まだまだこれから、しっかり頑張っていかねば、と気を引き締めた。




さて、私がここ数年行っている研修は、操作研修だけではなく、授業をどう変えるか、先生たちのマインドセットをどう変えることができるか、というチャレンジの日々だ。数値や理論だけではない先生たちが潜在的に持っているものをどう解放し、同じように子どもたちの創造性を解放できるか、というチャレンジなのだ。


人の心持ちを変えるのは、そう簡単ではない。その人の信条は、これまでの人生で積み重ねてきたもの全てがつながっているからだ。それは家庭環境であったり、経済の状況だったり、育ってきた地域にもよる。それだけではなく、学生時代をどう過ごしたか、どうして教員という道を選択したのか、教員の仕事の中で誰に出会い、何を学び、どんな成功体験をしてきたか。どんな失敗をしてきたか、それが今のその先生のスタイルにつながっている。


そういう原体験や自分の根っこにある部分をしっかり見つめ、これからの未来に何ができるかを考えていくのだ。そんな先生たちはそもそも、変わりたい、変わらなきゃ、というモチベーションがある。でも具体的にどんな方法で、どんな方向で変わっていけばいいのかを模索しているのだ。





だからこそ、そこには対話が必要なのだ。同じ思いを持つ仲間とつながり、思いを共有しながら試行錯誤し、切磋琢磨していくことで変わることができるのだ。しかし、変わることができる一番大きな要因は子どもたちだと思う。先生たちが悩みながらも、向上心を持ち、自分たちのために何かを変えようとしてくれている、ということに子どもたちは極めて敏感だ。


感覚の鋭い子どもたちは、何かもがいている先生の様子や、チャレンジしようとしている空気を敏感に察知する。そして概ねそれを応援してくれるし、とても肯定的に見てくれる。そして自分たちもそれに応えようとしてくれるはずだ。


その結果、先生が思い描いていたポイントよりも、子どもたちが上回ることになったり、想像以上の成果物を生み出したりする。子どもたちは本当にすごいのだ。そのポテンシャルを私たちはまだ解放できていない。信じて任せて、見守ること、先生がチャレンジをし続けることできっと子どもたちはまだ伸びる。






そんな姿を見ることができれば、きっと自分の成功体験や小さなこだわりはあっさり捨てることができるのではないだろうか。そういう意味でも、自分のマインドセットの変化によって、子どもたちが成長できたり、能力を解放できるのであれば、あとは変わるしかない。この仕事は変わることのきっかけやその成果が子どもたちにあるとすれば、「自分のため」のモチベーションよりも高い。まだまだ私たちは変化し、成長し続けられるかもしれない。

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